天地創造(てんちそうぞう)とは、ユダヤ教のヘブライ語聖書、キリスト教の旧約聖書『創世記』などに見られる思想である。

天地創造の流れ

ユダヤ教・キリスト教の聖典である旧約聖書『創世記』の冒頭には、以下のような天地の創造が描かれている。

  • 1日目 神は天と地をつくられた(つまり、宇宙と地球を最初に創造した)。暗闇がある中、神は光をつくり、昼と夜ができられた。
  • 2日目 神は空(天)をつくられた。
  • 3日目 神は大地を作り、海が生まれ、地に植物をはえさせられた。
  • 4日目 神は太陽と月と星をつくられた。
  • 5日目 神は魚と鳥をつくられた。
  • 6日目 神は獣と家畜をつくり、神に似せた人をつくられた。
  • 7日目 神はお休みになった。

年代推定の歴史

旧約聖書学では、創世記の記述内容としての「天地創造が起こった年代」は果たしていつだったのかについての推定が繰り返されてきた。

ただし前提として、批評的な旧約聖書学では、天地創造物語は信仰書であり、信じている内容を記述しているという事は、批評的な全ての学者が認めており、もはや「実際に・事実として、いつ起こったことか、どうか」は、研究・議論されていない。ただし、「当時の人々がいつ起こったと考えていたのか?それはどういう信仰・根拠だったのか?」などは研究されている。

正教会では西暦で言うところの紀元前5508年のことだとしており、これを元年とした「世界創造紀元」を用いていた。

1654年に、英国国教会のアイルランド大主教ジェームズ・アッシャーとケンブリッジ大学副総長ジョン・ライトフットが聖書の記述から逆算し、天地創造は西暦の紀元前4004年10月18日〜24日にかけて起こり、アダム創造は紀元前4004年10月23日午前9時と算出し、長らくキリスト教圏ではこの年代が信じられてきた(旧約聖書のモーセ五書に登場する族長全員の寿命を加算して算出したもの)。 その他にも天地創造の年代には諸説ある。

  • 『タルムード』 前3760 - 2年
  • フラウィウス・ヨセフス『ユダヤ古代誌』 前5444年
  • ユリウス・アフリカヌス『年代誌』 前5500年
  • エウセビオス『年代記』 前5199年
  • アウグスティヌス『神の国』 前5351年
  • ベーダ『時間計算論』 前3952年
  • オットー・フォン・フライジング『年代記』 前5500年?
  • スレイダヌス『四世界帝国論』 前3954年
  • スカリゲル『時間修正論』 前3948年
  • ペタヴィウス『年代表』 前3984年
  • ボシュエ『世界史論』 前4004年
  • ペズロン『古代復元』 前5873年
  • ガッテラー『普遍史序説』 前3984年、『世界史』 前4182年

一般的ではない解釈

一般的ではない解釈も少なからず存在する。例えば、天地創造はある嵐で流された子どもの認識順序を表したものだ、というものである。

脚注

関連項目

  • 文書仮説
  • 創造論
  • 創造神話
  • 世界創造紀元
  • 創造博物館 - アメリカ合衆国ケンタッキー州にある宗教博物館
  • 天地創造 (映画) - 1966年に公開されたアメリカとイタリアの合作映画

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