天竺五精舎(てんじくごしょうじゃ)とは、古代インドにあった初期仏教の5つの精舎(伽藍・寺院)をいう。天竺五山(てんじくごさん、ござん)ともいう。

一般的には、大蔵法数にある5つの精舎を指して呼称する。

大蔵法数

大蔵法数には以下五精舎が挙げられているが、その根拠は分かっていない。

祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)
正式名は祇樹給孤独園精舎(ぎじゅぎつこどくおんしょうじゃ)。身寄りのない者に施しをしていたスダッタ(須達多)長者が、ジェータ(祇陀)太子が所有する森を譲り受けて、コーサラ国の舎衛城近郊に建立した精舎。現在のサヘート遺跡とされる。
鷲嶺精舎(じゅれいしょうじゃ)
マガダ国の王舎城(ラージャガハ)の霊鷲山(グリドラクータ)にあった精舎。霊鷲精舎(りょうじゅしょうじゃ)とも。
獼猴江精舎(みこうこうしょうじゃ)
ヴェーサーリー(毘舎離)の獼(彌)猴池(みこうち、彌猴とは大きな猿で、その池にたくさんいた)の附近の大森林中にあった講堂、また説法の時に使用していた精舎。
菴羅樹園精舎(あんらじゅおんしょうじゃ)
中インド、ヴェーサリー(毘舎離)のアンバパーリー(漢訳:菴摩羅女=あんまらにょ、マンゴーのこと)が所有していた、マンゴー樹園を寄進して建てられた精舎。
竹林精舎(ちくりんしょうじゃ)
仏教で最初に建立された精舎といわれる。中インド、マガダ国の首都、王舎城(ラージャガハ)にあった。カランダ(迦蘭陀)長者の所有する林園で最初はジャイナ教に貸与していたが、カランダ長者が釈迦仏に帰依してからは仏教徒の僧園となった。ビンビサーラ(頻婆娑羅)王の寄進で伽藍が完成した。

大智度論

大智度論第3巻では、五山として以下の場所を挙げる。

  1. 鞞婆羅跋恕 (Vaibhāra-vana)
  2. 薩多般那求呵(Saptaparṇaguhā、南山石室)
  3. 因陀羅勢羅求呵 (Indraśailaguhā、帝釈窟)
  4. 薩簸恕魂直迦鉢婆羅 (Sarpiṣkuṇḍikā-prāgbhāra)
  5. 耆闍崛 (Gṛdhrakūta)

類聚名物考

類聚名物考においては、以下を天竺五山としている。

  1. 祇園精舎
  2. 竹林精舎
  3. 大林精舎
  4. 誓多林精舎(せいたりん)
  5. 那蘭陀寺(ナーランダ僧院) - マガダ国にあった寺院。なお、これは釈迦の死後に建てられた寺院である。

ただし「誓多林」は「逝多林」とも書き、Jeta(ジェータ)太子が所有していた林園に建てられた祇園精舎のことをいい、これでは4つになってしまうので五精舎にはならない。

その他

なお、五精舎あるいは五山の名称には差異があり、以下の5つをいう場合もある。

  1. 鹿苑(鹿野苑)- 鹿苑ではなく鹿子母講堂を充てる場合もある。
  2. 祇園
  3. 大林
  4. 竹林
  5. 那蘭陀

各地の五山

この天竺五精舎十塔所(また五山十刹)が、中国南宋の時代に模せられ、いわゆる支那五山支那十刹ができた。

また日本の鎌倉期の鎌倉五山・京都五山や日本十刹が起こったとされる。主に禅宗がそれに倣った。

脚注

関連項目

  • 鎌倉五山
  • 京都五山
  • 五山
  • 精舎

臨済宗 建長寺派 独園寺 臨済宗 建長寺派 独園寺

願隨寺blog インド仏跡参拝2016 ⑥大林精舎

合同会社天竺

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