『サイレンス』(ペルシア語: سکوت sokūt、タジク語: Сукут、フランス語: Le Silence)は1998年のイラン・フランス・タジキスタン共同制作の映画。監督・製作・脚本はモフセン・マフマルバフ。1998年ヴェネツィア映画祭上院議員金メダル賞受賞。
あらすじ
盲目の少年コルシッドは、戦争でロシアに行った父親を待ちながら、母親と暮らしている。コルシッドは楽器の調律師として働いていたが、ある日、大家から家賃を払わなければ家から追い出すと言われてしまい、母親は親方から金を借りるように彼に頼む。しかしコルシッドは金を借りるどころか、職場への途中で聴いた音や音楽につられて迷子になり、たびたび遅刻してしまったため、仕事を解雇され、結局家も追い出されてしまう。経済的に全てを失ったコルシッドであったが、最後に彼は一つの音楽に目覚める。
キャスト
- コルシッド:タハミネー・ノルマトワ
- ナデレー:ナデレー・アブデラーイェワ
- コルシッドの母:ゴルビビ・ジアドラーイェワ
- 親方:ハケム・ガッセム
エピソード
- イランでの検閲が厳しかったため、タジキスタンで撮影が行われた。そのため台詞はほとんどタジク語(ペルシア語と実質的に同一言語)だが、母親と釣り人の会話のシーンはロシア語である。
- 主人公を演じているのは少年ではなく、少女である。監督に物乞いをしてきたほど貧しかったため、出演料がもらえないことを恐れて、撮影が終了するまで隠していた。
- 映画の中で引用されている詩はオマル・ハイヤームの『ルバーイヤート』の詩である。また、ナデレーが耳にさくらんぼをイヤリングにし、花びらをマニキュアにして踊るシーンはフォルーグ・ファッロフザードの「新たなる生」の一節からヒントを得たものである。
- 日本語の字幕は重訳のためか、人名の表記に問題が多い。例えば主人公の少年の名は、ペルシア語ではホルシード(خورشید 「太陽」という意味)、タジク語ではフルシェ(ー)ド(Хуршед)に近い発音である。
脚注
外部リンク
- 公式サイト(英語・ペルシア語)
- 『サイレンス』のページ(日本語版のフライヤーとパンフレットもあり)
- サイレンス سکوت - allcinema
- サイレンス سکوت - オールムービー(英語)
- サイレンス سکوت - IMDb(英語)




