弦楽四重奏曲 ホ短調は、ジュゼッペ・ヴェルディの現存する唯一の室内楽曲であり、《アイーダ》のナポリ公演のさなかの1873年の春に作曲された。

作曲の経緯

1873年の3月上旬を予定されていた《アイーダ》の公演は、ソプラノ歌手、テレサ・シュトルツの急病により延期されていた。ヴェルディはナポリで空いた時間で室内楽の作曲に集中し、《アイーダ》の初演に遅れること2日の1873年4月1日に、逗留先のホテルにおける非公開のリサイタルで《弦楽四重奏曲ホ短調》の初演を行なった。そのときの演奏者は、ピント兄弟のヴァイオリンと、サルヴァドーレのヴィオラ、ジッタリティエッロのチェロであった。

ヴェルディ自身は作品を次のように評している。

ヴェルディの卑下するような口調にもかかわらず、本作は19世紀の弦楽四重奏曲の古典的なレパートリーに数えられており、時に弦楽合奏用の編曲が演奏されることもある。

構成

以下の4つの楽章から成り、スケルツォ風の終楽章がフーガとして構築されていることで名高い。

  1. Allegro
  2. Andantino
  3. Prestissimo
  4. Allegro assai mosso

参考文献

  • Mara E. Parker (2005). String Quartets: A Research and Information Guide. Routledge. OCLC 60641406 
  • Richard Alexander Streatfeild (1895). Masters of Italian Music. C. Scribner's Sons. OCLC 2578278 
  • Melvin Berger (2001). Guide to Chamber Music. Courier Dover Publications. OCLC 853622952 

外部リンク

  • 弦楽四重奏曲 (ヴェルディ)の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト

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