クリス・リード(リード ロバートクリストファー、英語: Chris Reed, 1989年7月7日 - 2020年3月15日)は、アメリカ合衆国出身の男性、日本のフィギュアスケートアイスダンス選手。村元哉中や姉のキャシー・リードとパートナーを組んだ。妹はアイスダンス選手のアリソン・リード。アビングトンオンライン高校卒業。
2010年バンクーバーオリンピック、2014年ソチオリンピック、2018年平昌オリンピック日本代表。全日本フィギュアスケート選手権優勝10回(2007-2010、2012-2017)。
人物
アメリカ合衆国ミシガン州カラマズー出身。母が日本人であり、出生時の国籍留保手続きにより国籍選択期限年齢に達するまでは日米両国の国籍を持っていた。
特技はトロンボーン演奏。2014-2015シーズンまでのパートナーでもあった姉のキャシー・リードはフルートを演奏する。血液型はA型。2015-2016シーズンから2017-2018シーズンのパートナーは村元哉中。
経歴
アメリカで姉のキャシーとカップルを組みアイスダンス競技を始める。2005-2006シーズンの全米フィギュアスケート選手権ノービスクラスで優勝。コーチであるニコライ・モロゾフのすすめで、2006-2007シーズンから日本に所属した。
移籍後、初出場となった第75回全日本選手権では2位となり、2007年四大陸フィギュアスケート選手権出場を決める。四大陸選手権ではコンパルソリーダンス7位、オリジナルダンス9位、フリーダンス6位となり総合で7位となる。
2007-2008シーズンからISUグランプリシリーズに招待され、スケートアメリカ、NHK杯に出場する。2度目の出場となった第76回全日本選手権では、アイスダンス競技唯一の競技者となり、世界選手権と四大陸選手権の代表となる。四大陸選手権では前回と同じ7位にとどまったが、自己最高得点を大きく更新する。
2009年世界選手権で16位に入り、この成績により翌年開催のバンクーバーオリンピックアイスダンス競技への日本選手の出場枠を獲得。2009年12月、第78回全日本選手権で優勝し、日本代表に選出されバンクーバーオリンピックに出場する。なお、妹のアリソン・リードもグルジア代表でアイスダンスに出場し、姉弟妹3人揃っての出場となる。続く世界選手権ではコンパルソリーダンスで2人が転倒する大きなミスがあったにもかかわらず、15位と自己最高成績を収めた。
2010-2011シーズン、グランプリシリーズでは両方7位という成績を収める。スケートアメリカの後、ニコライ・モロゾフからガリト・チャイトにコーチを変更し、練習拠点をロシアからアメリカに戻した。フリーダンスを新しくして挑んだ全日本選手権では4連覇を果たした。世界選手権ではフリーダンスの演技終了直前にクリスが転倒するミスがあったものの、総合で13位となり日本所属カップルの最高順位タイになった。
2011-2012シーズン、初戦となったNHK杯ではフリーダンスの5分間練習中に負傷、そのまま競技に出場したものの7位。リフトを行なっていたところ、他のカップルと衝突し転倒、負傷した。演技後に接触相手のブレードが自身の右足のスケート靴を貫通し、小指に四針の怪我を負い、骨折していたことがわかった。ロステレコム杯に出場する予定であったが、怪我のため出場を取りやめた。その後、治療にギプスが必要となり全日本選手権の出場を断念した。本格復帰後の2012-2013シーズンはNHK杯で5位、NRW杯で2位に入るなど好調な成績を記録している。
2013-2014シーズン、ソチオリンピックの最終予選であるネーベルホルン杯に出場。右膝の古傷の痛みを再発させた中、リフトの失敗があったものの7位に入り、出場枠5の中で4位の成績となった。ソチオリンピックはショートダンスで21位でフリーダンスに進出することはできなかった。世界選手権後には半月板の治癒を高めるための手術を行った。5月にはコーチをマリナ・ズエワに変更し、ミシガン州のカントンに練習拠点を移した。
2014-2015シーズン、全日本選手権で7度目の優勝。世界選手権ではショートダンスで転倒し、フリーダンスに出場することはできなかった。国別対抗戦には唯一第1回大会から4大会連続で出場した。4月19日、キャシーが競技からの引退を発表しカップルを解消した。6月17日、村元哉中とのカップル結成が発表された。
2015-2016シーズン、全日本選手権で優勝。メンターネスレネスクイックトルン杯では2位となった。初出場の世界選手権では15位に入った。
2016-2017シーズン、USインターナショナルクラシックで銀メダルを獲得。NHK杯は、左膝の負傷で大会直前に棄権を発表した。全日本選手権では自身9度目の優勝。世界選手権のSDでは、シークエンシャルツイズルのミスが響き、FD進出を逃した。
2017-2018シーズン、ネーベルホルン杯で2位に入り日本のアイスダンスでの平昌オリンピック出場権を獲得。第86回全日本フィギュアスケート選手権で3連覇を達成し平昌オリンピック代表に選ばれる。四大陸選手権で日本勢初となる銅メダルを獲得。平昌オリンピックでは日本勢最高タイとなる15位に入る。世界選手権では日本勢・アジア勢歴代最高となる11位を記録した。
2018年8月9日、村元とのカップルを解消したことが日本スケート連盟により発表された。
2019年12月31日、競技からの引退を発表した。
2020年3月15日、午前0時20分(日本時間)、アメリカ・デトロイトにて心臓突然死で死去。30歳没。1月から姉のキャシーとともに関空アイスアリーナで指導者として活動をはじめており、3月11日のブログにて、日本に帰国するため荷物を全て日本に送ったと報告した矢先のことであった。告別式は同月21日にミシガン州のシュレーダーハウェル葬儀場で営まれ、葬儀場のサイトやFacebook、Instagramでライブ配信された。
2021年12月27日、遺族の承認を得て、2022年9月23日にクリス・リード杯が行われることが告知された。
主な戦績
- 村元哉中とのカップル
- キャシー・リードとのカップル
- Nはノービスクラス
詳細
プログラム使用曲
脚注
関連項目
- 国籍法 (日本)#多重国籍者の国籍選択制度
- 長洲未来 - クリス・リードと同じ国籍留保中のフィギュアスケート選手。アメリカに所属。
外部リンク
- 村元哉中&クリス・リード オフィシャルブログ
- 国際スケート連盟による村元哉中 & クリス・リードのバイオグラフィー(英語)
- 国際スケート連盟によるキャシー・リード & クリス・リードのバイオグラフィー(英語)
- 日本スケート連盟によるプロフィール
- 所属クラブによる紹介
- キャシー・リード&クリス・リードのオフィシャルブログ「華麗なるアイスダンス」
- キャシー・リード&クリス・リード 旧オフィシャルブログ
- Ice-dance.com(日本語版)
- Ice-dance.com(英語版)
- クリス・リード - Olympedia(英語)




