マルバウツギ(丸葉空木、学名: Deutzia scabra var. scabra または Deutzia scabra)は、アジサイ科ウツギ属の落葉低木。ツクシウツギともいう。
分布・生育地
本州の関東地方以西、四国、九州の低地や山地に分布する。日当たりのよい山野に多く見られる。植えられることは稀である。
形態・生態
落葉広葉樹の低木で、高さは1.5メートル (m) ほどになる。樹皮は灰褐色から茶褐色で、縦に裂けて剥がれる。若い枝は紫褐色で星状毛が密生するのが特徴である。葉は楕円形から卵形で、他のウツギ属と比べると丸みがある。葉の正面はざらつく。秋には紅葉し、橙色から赤色に染まり、ウツギのなかまの中では鮮やかに色づく。
花期は4 - 5月ごろで、白い花を咲かせる。果実は直径3ミリメートル (mm) ほどの椀形で星状毛がある。冬場でも萼片と花柱が残っていることがある。
冬芽は伏毛が密生し、枝先に仮頂芽が2個つくが、片方が大きいことが多い。側芽は枝に対生する。葉痕は三角形から半円形で、維管束痕が3個つく。
同科のウツギは、葉がより細く、紅葉はくすんだ橙色や黄色が多い。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、93頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月27日。ISBN 978-4-8299-0187-8。
- 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花2』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、74頁。ISBN 4-635-07004-2。
- 林将之『葉で見わける樹木 増補改訂版』小学館〈小学館のフィールド・ガイドシリーズ〉、2010年、173頁。ISBN 978-4-09-208023-2。
関連項目
- 木の一覧
外部リンク
- "Deutzia scabra Thunb" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2011年12月6日閲覧。 (英語)
- "Deutzia scabra". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語). (英語)
- "Deutzia scabra" - Encyclopedia of Life (英語)
- 波田善夫. “マルバウツギ”. 植物雑学事典. 岡山理科大学. 2011年12月6日閲覧。




